王子製紙千歳川第一発電所
展示されてる廃墟 -洞爺湖有珠山ジオパーク-
人が住まなくなって数十年たつ廃墟の割に、原型をとどめているのは元が病院で頑丈な作りだからか、あるいは管理されているからか。結構すさまじい状態の廃墟なんだけど原型をとどめている。
パノラマにするとこんな感じ。ここは洞爺湖有珠山ジオパークの1977年火山遺構公園。噴火当時この病院には230名が入院していたが、前兆地震発生後すぐに避難して無事だった、というようなことが説明板に書かれている。人が死んでいない廃墟はホッとする(いや、病院だから火山が原因じゃない病死とかはあったか)。
当時、小学校はちょうど夏休みで母の実家がある函館に行ったんだったか行く前だったか、自分にとってはそんな時期の噴火。札幌の自宅前にも火山灰が降ってきてた気がする(あるいはテレビで見た映像を自分の記憶と混同しちゃってるかな?)。で、この有珠山は30年に1回噴火する火山で、2000年にも噴火する。
西山火口散策路の北口へ行くと、2000年の噴火時におきた地殻変動で国道230号が破壊された場所がそばにある。草が生えている道路がかつての国道230号。見づらいので角度をかえて
国道230号に接続する道路側から。止まれ、標識のところから国道。慌てて逃げたのか、車が放置されている。ちなみに後ろの2階建ての建物、当時たてたばかりの消防庁舎なんだけど、消防庁舎としては1年ぐらいしか使えず… で、次は西山火口の南口の方へ。
こちらには洞爺湖幼稚園の廃墟。こちらも被害者を出すことなく無事に避難できた、ってことで安心して(?)見学できる。
もう使われていない道路側から
幼稚園の中庭側にアプローチ。
地面との水平に気をつけて撮ったつもりの写真。地面の隆起とかで建物自体がナナメになってる、ということかな? ちなみに中庭には
当時の噴石がゴロゴロ落ちている。こんなの当たったらひとたまりもねぇ~ とか思いつつ遊具をよく見てみると、
曲がったジャンブルジム(?)の下に噴石。怖いよ。
講堂、というか体育部屋かな? 中に草木が生えちゃってるけど、外見的には形を保っている廃墟。で、ホントは北口から南口の間、遊歩道を歩いてくれば遺構はまだまだ見られたんだけど、9月はじめなのに気温30度の中を山歩きする気力もなく車で移動したのだ。遊歩道散策はまた今度。
最後に洞爺湖ビジターセンターの裏にある金毘羅火口災害遺構へ。後ろにある茶色いのは噴火後作られた堰堤、手前のマンションは旧町営桜ヶ丘団地、一棟だけ残されている。すぐ後ろに火口があって、1回まで泥流で埋まった。こちらも園路があって散策できるんだけど、暑いのでパス。
室蘭本線 伏古別トンネル
登別マリンパークニクスの裏、道道701号を国道36号にむけ進んでいる時、左手に見える室蘭本線にちょっとした違和感があった。良く見てみるとトンネルの横にもう1個穴が開いている。
側道(保線用かな?)を歩いて近づくと…
レンガ積みの、もう使われていないトンネル。
うむ、カッコよい。
帰宅後調べてみると、室蘭本線の旧線で、明治25年に作られたトンネルらしい。実はこの左にもう1個、大正に作られたトンネルが残されている(木が茂ってて気づかなかった)。つまりここに明治、大正、昭和に作られたトンネルがあるということ。ホント、夏の草木が繁茂してる時期の遺構探索はダメだね。